幻想小国記 謎のプリンセス
○ものがたり

かつて隆盛を誇っていた帝国も
10年前の後継者争いをきっかけとした内戦の結果
分裂、弱体化していた...

帝国を構成する、とある一小王国リートピアは
国王アスガー7世のもと、残されたわずかな領土の下
立ち直りつつあった...

だが、帝国全土を己の支配下に置こうと
企む者がいずこかより現れた。

その者はリートピア王国にも関心を持っていた。
リートピア王家が持つ、地位に目をつけ
それらもろとも帝国を手に入れる
壮大な野望を考えついたのである...

そして2年前、その者はリートピア王国の人々から
親しまれていた姫を、王国から離れさせることに成功した。
アスガー7世は姫が去ったことを寂しがり、
姫の名をつけた猫を飼って気を紛らわせるようになっていった...

だが、王国に新たなる試練の時が迫ってきていた。
帝国は究極二臣官と呼ばれる重臣をリートピアに使者として派遣した。

使者は国王にこういった。
「王国が帝国に反旗を翻すとの噂が流れている。
噂を否定するのであれば、皇帝への忠誠を見せるため
王国の宝である『紋章』を『王子』に持たせ、皇帝陛下の元に
はせ参じさせよ」と...

明らかに無理難題を突きつけたのである。
王国の後継者たる王子を帝国に呼びつけ、暗殺する可能性も
容易に想定されていた。

しかも、王国の宝である「紋章」は、何年か前に盗賊に奪われて
もはや王家にはなかったのである。

それでも弱小の王国に帝国に武力で対峙できる力は
残されていなかった。

王子は皇帝の勅命に従って、帝都へ向けて旅立つのであった。


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